いちょうの周りで

everyday life , walking and low mountaineering

裁判官

時折り涙がこぼれる。この本と関係はないが、今日は慰霊の日。最後の訪問から9年が経っていた。そろそろ再訪を考えたいね。

罪の声

グリコ・森永事件を素材に、事件から数十年後を描いた作品。推理小説というか大きなドラマという印象を持った。登場人物の過去や関係が絡み合ってだんだんと明らかになっていく。脅迫に使われたテープが幼いころの自分の声であると分かったテーラーと新聞社…

教団X

9年ほど前に図書館リニューアル記念の講演で作者本人を見たことがある。当時も書いたが人前で話すことには慣れていないような印象があったものの、内容や感じはよかった。行政社会学部のある大学を希望し、学生時代は軽音楽のサークルに在籍、卒業後は就職…

王とサーカス

大刀洗万智のシリーズ。新聞記者を辞め、フリーとして取材で訪れたネパールでの物語。王宮殺人事件の真相を暴くものかと思ったが、読み進むとそうではない。王宮を守る軍人接触するところから事件が展開する。真相は判明する、しかし犯人がどうなったかの記…

ハンチバック

第169回芥川龍之介賞受賞作品。文藝春秋全文掲載を読む。 ~隣人の彼女のように生きること。私はそこにこそ人間の尊厳があると思う。~本文より

満願

米澤穂信は初。題名は頭にあって、黒牢城の直木賞受賞を知って読んでみる。発想、構成と展開、特別なものではなく、日常に潜んでいるテーマで普通の人が繰りひろげる内容だが、思いつかない。良い意味で機械的ともいえる。文章も読みやすい。驚いた。浮かば…

盤上の向日葵

ちょっと前のベストセラー。将棋を題材にした内容はどんなものかと気になっていた。最後に自らの出生を知る東大卒の棋士を中心に話が進む。将棋にのめり込むきっかけから、アマチュア界でも名が知れた真剣師と関係、年齢制限で奨励会からプロになれなかった…

騎士団長殺し

久しぶりの村上春樹。読むたびに読みやすくなると感じる。そして、現実にあることとそうでないことが交じる。これが魅力なのかもしれないが、例えば騎士団長がでてくることなどはなにか冷めてしまう。雨田具彦(ともひこ)を見舞ったところから消えてしまう…

月山

第70回芥川受賞作。筋がとらえられなかった。方言の会話も混じり、ところどころで突っ掛る。この賞の作品は、全般的に、よく言えば読解力が必要、言い換えれば読みにくい。なにか雪国(川端康成)が浮かんだ。

東芝の悲劇

立場が人を作るは昔の話か。立場が人を腐らせたのか、いや腐っていたものが上に立ってしまった。「魚は頭から腐る」を地で行く。四匹すべて腐敗していたが、前任者の悪法を知り、改善どころか利用した最後の一匹が特に酷い。石坂泰三や土光敏夫が牽引した名…

孤狼の血

刑事と暴力団抗争を描いた人気作。映画を見ているような、小説の中に自分がいてそばで見ているような感覚であっというまに完了。それぞれの関係と人物の背景に深く、巧みな文章表現で読みやすい。関しぶりの柚月裕子。この日岡刑事の小説はあと二編が出てい…

コンビニ人間

相手の隠れていた一面が見えたとき、人は裏切られたと感じる。普段接しているときにはそんなことは考えていないようにふるまっているし、こちらも見えない。古倉さん(主人公)も学校の卒業後もこのコンビニのアルバイトしか経験がない。36歳の女性である…

カササギ殺人事件

小説の小説の小説。ネタバレにはならないと思うがどうでしょうか。作者はアガサ・クリスティへのオマージュがある。エルキュール・ポワロシリーズも好きで読んでいた。ただ、だいぶ前のことなのでほぼ覚えていないが展開にそれが出ているような気がした。ア…

読書

今年の目標は読書。が、なかなか進まない。速度か、全体的な読む力の衰えかとも考えたが、なによりも集中力がなくなったように思う。興味がないわけではないが、ほかのことに気がとられてしまう。年とともにしなければならないなにかの準備を考えることが増…

差し入れ

本の差し入れ。池波正太郎といえば、鬼平犯科帳、剣客商売、そしてこの仕掛人・藤枝梅安。最初は鬼平から入るが、どれか一つとなると梅安か。金で人を殺める家業(仕掛人)の物語はなかなか書けるものではない(しんどい)というようなことを池波が言ってい…

三屋清左衛門残実録

あらためて読み返す。清左衛門の隠居したのは50代前半、10年異なるが感じるところは変わらない。それにしても藤沢周平は勤めていた時期もあるが、作家として自立していたはずであるが、勤め人(三屋清左衛門は用心)の心情を的確にとらえている。 「隠居…

麦屋町昼下がり

記録をしているわけではないので不確かだがこの季節にわりと読んでいるように思う。まわりの景色の中に際立つ緑が目に入り、力が湧くような気がするからだろうか。藤沢周平には、「又蔵の火」などの底にあって出口を捜せないまま終わるような作品もあるが、…