いちょうの周りで

everyday life , walking and low mountaineering

東芝の悲劇

立場が人を作るは昔の話か。立場が人を腐らせたのか、いや腐っていたものが上に立ってしまった。「魚は頭から腐る」を地で行く。四匹すべて腐敗していたが、前任者の悪法を知り、改善どころか利用した最後の一匹が特に酷い。石坂泰三や土光敏夫が牽引した名門は見る影もない。顧客や取引先、そして社員への責任は全く感じられない。ほかの人材はいなかったのか、違う人選であればどうなっていたのだろう。仮の話なのでなんとも言えないが人災は避けられる。それでも似たり寄ったりであれば組織が劣化していた。久しぶりに読み応えのある一冊。

本文より~「模倣の西室、無能の岡村、野望の西田、無謀の佐々木」と評したが、この四代によって美風が損なわれ、成長の芽が摘み取られ、潤沢な資産を失い、零落した。東芝で起きたことは、まさに人災だった。