いちょうの周りで

everyday life , walking and low mountaineering

差し入れ

本の差し入れ。池波正太郎といえば、鬼平犯科帳剣客商売、そしてこの仕掛人・藤枝梅安。最初は鬼平から入るが、どれか一つとなると梅安か。金で人を殺める家業(仕掛人)の物語はなかなか書けるものではない(しんどい)というようなことを池波が言っていたように思う。晩年の作品であり、文庫版は全7冊で完結はしていない。(絶筆)個人的な魅力は酒と食事シーン(これは全作品に共通)と人物来歴やつながり、そして地名や店名に引き込まれる。梅安の住む品川台町や雉子の宮、彦次郎の一軒家がある浅草も外れの塩入土手、人物では、おせき婆さん、おもん、小杉十五朗、津山悦堂、音羽の半右衛門などなど。これらの名前がでるとほっとするところがある。