いちょうの周りで

everyday life , walking and low mountaineering

保身

海喜館(うみきかん)を舞台とした地面師事件、積水ハウスは55億5900万円を騙し取られる。2017年6月に発生、2018年1月に行われた積水ハウス取締役会では全容解明を進めた会長が事実上解任される。本書は解任クーデターと不祥事を隠蔽する企業の姿をルポルタージュしたもの。興味は地面師事件にあって読み進めるが、事件ははっきりしない。「積水ハウスの東京マンション事業部は詐欺だとわかっていた」、「取引相手の本人確認をしなかった」、「本物を名乗る地主が内容証明郵便を送ったにも関わらず信用しなかった」など、ハウスメーカートップの上場企業で基本的なことがなされていなかった。なぜか。見方を変えれば、クーデターためにワザとおこされた事件とのようにも映る。「家に帰れば~」というコマーシャルが色あせる。騙し取られた金の流れや行方は不明。地面師事件は本当の主犯がいるのかなどは明らかにされていない。著者は藤岡雅(ただし)。

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