いちょうの周りで

everyday life , walking and low mountaineering

用心棒日月抄(ようじんぼうじつげつしょう)

連休一気読み。全四作、一作から三作までは藩の命令といえないものの、主人公青江又八郎が密命を受け脱藩。報酬もなく、家禄増もなく用心棒家業にて糊口を凌(しの)ぎながら役目を果たす。四作目は三作目から16年が経ち、腰を悪くした江戸詰めと交代にて半年間の出府。その中でも、藩の秘密、公儀隠密、そして嗅足組(かぎあしぐみ)解散が絡み暗闘が繰り広げられる。人物、色、光、風、空気、暑さ寒さの表現の中に陰がある。見てはいないがNHKで映像化されている。小説を読むと実写したときの配役を考えてしまう。すこし候補があるがこれは監督になった時に明かす。長屋の風情や江戸市井を織り込んだ用心棒物の最高傑作。一作目の用心棒日月抄のみがなく、他を一冊110円でブックオフから購入。

f:id:PineRiver:20200506103645j:plain