いちょうの周りで

everyday life , walking and low mountaineering

夜消える

珠玉の名品7編。

~もう二度と家に帰らないのだろうかと、信次は思った。すると、自分を照らしている早春の日射しが、突然に翳ったように力を失うのを感じた。おきみの乾いた黒髪の匂いがし、いつも大人びているように感じた黒い目が、どこからか自分を自分を見ているように思った。~「踊る手」より

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